脂肪注入
ヴェリィ美容形成クリニックの清水ドクターに「脂肪注入」についてプロフェッショナル解説していただきました!
脂肪注入ってどんな治療ですか?
脂肪注入とは、老化による顔のくぼみや溝に脂肪を注入することで、くぼみや溝を目立たなくしたり、胸に注入することで胸を大きくしたりする施術のことを言います。
脂肪注入の大きな特徴は、自分の脂肪を使うため、異物を使わず半永久的なボリュームが得られることです。
針と注射器を用い、二の腕やお腹、太もも等から脂肪を必要量、吸引採取します。
そして、採取した脂肪を再び針と注射器を用い、くぼみや溝に注入を行います。
手術時間は、部位と量にもよりますが、30分~60分程度です。
顔のくぼみや溝に今までヒアルロン酸を注入しており、もう一つステップアップした治療をお考えの方、異物を用いない半永久的な方法をお考えの方に、脂肪注入は非常に適している方法と考えます。
脂肪注入の種類は!?
吸引した組織には、脂肪以外に血液、水分、油分等の不純物も含まれているため、注入するにあたり脂肪だけを抽出しなければなりません。
今までは医療用こし器(茶こしみたいなもの)に採取脂肪を入れ、洗浄し血液を洗い流したあと、脂肪注入を行っていました。
しかし最近は、CRF(コンデンスリッチファット)脂肪注入やピュアグラフト脂肪注入という方法が用いられるようになってきています。
CRF(コンデンスリッチファット)脂肪注入とは、採取脂肪を洗い流さず、採取脂肪そのままを、つまり体内成分そのままを遠心分離器にかけ荷重フィルターを通すことで、注入に必要なものと必要でないものに分け、必要な体内成分(脂肪由来幹細胞を含む濃縮した脂肪)だけを注入するという画期的な方法です。
- ウェイト効果
通常の遠心分離の約25倍のG(圧力)をかける
ウェイトフィルターのウェイト(重さ)によって、遠心分離の際に脂肪にかかるG(圧力)は、通常の遠心分離のG(圧力)の約25倍になります。この時、老いた弱い脂肪細胞はG(圧力)に耐えられず、排泄オイルになります。この約25倍のG(圧力)に耐えられた強く健全な脂肪細胞(コンデンスリッチファット)のみを抽出し、注入に使用します。 - フィルタリング技術
コンデンスリッチファットと排泄オイル(トリグリ)を分離
ウェイトフィルターには、液体のみを通す小さな穴が空いており、採取した脂肪から注入には適さない排泄おいる(=トリグリ(死活・老化細胞))を取り除くことができます。従来の脂肪注入では成し得なかった、不純な排泄オイル(=トリグリ(死活・老化細胞))と新鮮で健全な脂肪との分離が、このフィルターにより実現しました。 - 空気に触れないプロセス
全てのプロセスを空気に触れないシリンジ内で行う
従来の脂肪注入は、採取から脂肪注入までに行う脂肪は、空気に触れた形で移動しておりました。一方、コンデンスリッチファットは、チュメセントの注入、脂肪吸引、廃液、コンデンスまでをシリンジから出す事無く、空気に触れないで行います。よって空気に含まれる菌やほこりなどのコンタミ(不純物)に触れる事の無い環境で行うため、感染症等のリスクを大幅に削減しました。
もう一つのピュアグラフト脂肪注入とは、2層フィルターを通し油滴や血液をきれいに洗い流し純粋な脂肪だけを残し注入するというものです。
どちらの方法も従来法から比べると、格段に良質な脂肪を抽出できるようになっております。
そして、厳選した良質な脂肪を用いることで生着率を飛躍的に向上させる事ができるようになってきました。
脂肪注入の痛み・麻酔の有無
麻酔は局所麻酔で行います。
痛みに弱い方、緊張や不安が強い方には静脈麻酔を併用して行うこともあります。
術後の痛みは、痛み止めを内服していただければ日常生活に支障のない程度です。
脂肪注入の金額の目安
※消費税抜き
上眼瞼凹み 下眼瞼凹み 頬 こめかみ 法令線 口唇増大 涙袋形成 豊胸 |
¥200,000 ¥200,000 ¥300,000 ¥253,000 ¥180,000 ¥150,000 ¥170,000 ¥300,000 + 脂肪吸引料 |
- ピュアグラフト脂肪注入の場合は、上記プラス¥55,000(豊胸はプラス¥100,000)
- コンデンスリッチファット脂肪注入の場合は、上記プラス¥75,000(豊胸はプラス¥200,000)
※上記は1回の施術料です。豊胸以外は料金の中に脂肪の採取料も含まれております。
脂肪注入のダウンタイム
術後、脂肪採取部位にはテープもしくは包帯を3日ほど巻きます。その間は患部を入浴時濡らさないように気をつけて頂きます。痛みは打撲痛ほどの痛みで日常生活に影響はありません。テープ固定を外すと内出血が見られる場合がありますが1週間ほどで目立たなくなってきます。
注入部位ですが、注入部位は刺入部の針穴の上だけ小さな肌色テープを3日間、貼ります。化粧、洗顔ともにテープの上からであれば手術翌日から可能です。術後の腫れ自体は、少しですが、注入したボリュームが腫れているように見えることがあります。
注入した脂肪は、1-2週間で生着した脂肪と生着しなかった脂肪に分かれ、生着しなかった脂肪は1-2ヶ月で徐々に吸収されなくなります。術後1-2ヶ月間は徐々にボリュームが減っていきますが、2ヶ月以降、生着した脂肪だけになればそのボリュームは半永久的に維持されます。
脂肪注入の注意事項・合併症
一カ所に多量をまとめて注入すると、嚢腫形成や脂肪壊死、石灰化などの合併症を起こすことがあります。また、浅い層に脂肪を多く注入すると、表面の凸凹不整につながります。いずれも脂肪注入を熟知し行っていれば、限りなく回避できる合併症であると考えます。
脂肪注入における生着について
脂肪注入は、脂肪の「油」を注入するのではなく、脂肪の「細胞」を注入し移植する手術です。脂肪は採取すると一旦血行が途絶えるため、注入した後、脂肪細胞が、いかに血流を再開し生着(よみがえる)するかが重要なポイントとなってきます。
血流が再開し再び自分の脂肪としてリモデリングし、よみがえる率のことを、「生着率」と言います。生着率が良いほど、注入した脂肪が無駄にならず体内に残って注入部位のボリュームとなってくれます。
清水ドクターからひとこと!
生着率を上げるための脂肪注入手技について
- 脂肪注入において、脂肪細胞を多く注入、つまり注入量を多くすればするほど生着率が良くなるかと言うとそうではありません。
注入した脂肪は、周りの血行ある組織と手を結ぶことにより血流が再開し、再び脂肪細胞としてよみがえることになります。注入された脂肪だけで満たされても生着はいたしません。
つまり、生着するためには、注入脂肪に対して適度な血流のある組織が必要になってきます。脂肪注入は、量を入れれば入れるほど良いのではなく、生着率を上げるためには注入部位の元々の組織量を考えながら注入量を決めていく必要があります。 - 注入方法によっても生着率は変わってきます。
脂肪注入時、一カ所にまとめて注入するのではなく、血流のある組織にできるだけ接触面を多くするように細かく注入することで、注入脂肪に血行を再開させやすくさせ、生着率を上げることができます。一カ所にまとめて注入すると、生着率が悪いだけでなく、嚢腫形成や石灰化といった合併症にもつながっていきます。
たかが注入、されど注入。
注入と言えど、脂肪注入の理屈を理解して施術しているかどうかによって、注入方法一つをとっても生着率や合併症の有無に大きな差が出てきます。
清水ドクターのプロフィール
ヴェリィ美容形成クリニック 院長 清水 隆司
近畿大学医学部形成外科教室、上石 弘教授のもとで形成外科を学び、そして、いちだクリニック院長、市田正成先生のもとで美容外科を学ぶ。その後、リッツ美容外科、大阪院副院長を経て、京都にヴェリィ美容形成クリニックを開院。手術に対する「こだわりと愛情」をモットーに日々診療にあたる。
経歴
平成3年 近畿大学医学部卒
平成3年〜 近畿大学医学部附属病院 形成外科
平成11年〜 いちだクリニック
平成12年〜 リッツ美容外科
平成15年〜 ヴェリィ美容形成クリニック 開院