トラネキサム酸

トラネキサム酸は、人工的に合成されたアミノ酸の一種です。
2002年に厚生労働省から美白効果のある成分と認可されていますが、元々は、医療現場で炎症やアレルギーを抑える効果があるので、湿疹や蕁麻疹などの治療、止血に使用されていました。

では、どのように美白効果があるのでしょうか？

メラノサイトは肌の基底層部にあります。紫外線を浴びると、メラノサイトがせっせとメラニンを作りだし、そのメラニン色素は紫外線のダメージから細胞を守りながらも、肌のターンオーバーによって、古い角質と共に排出されます。
ただ、紫外線を浴びすぎると、そのメラニンが過剰に生成され、排出が追っつかなくなり、肌表面に蓄積、色素沈着を起こしたものがシミになります。

トラネキサム酸の作用は、抗プラスミン！！

プラスミンは、炎症を引き起こす物質です。先ほどの『メラニンが過剰に生成される』のを指示しているような立ち位置。
（炎症を引き起こす＝プラスミン＝メラノサイト活性化因子）
そこで、トラネキサム酸の抗プラスミン作用を用いると、この活性化因子（プラスミン）がメラニンに刺激を与えることを防ぐので、シミができにくくなるのです。

その他の効果

プラスミンは血液を溶かすので、プラスミンが活発に働いていると、血栓をできにくくする＝血を止まりにくくする。そこでトラネキサム酸を用いると、抗プラスミン作用で止血の効果が得られます。
トラネキサム酸は止血成分が入っているため、血液を固める薬を飲んでいる方（トロンビン服用中）は内服できませんので、注意してください。

また、プラスミンは炎症を引き起こすため、口内炎やのどの痛みなどの炎症を起こします。それを、トラネキサム酸の抗プラスミン作用を用いると、痛みを抑えることができるのです。