サーミドライ

サーミドライ
プロフェッショナル解説

ヴィヴェンシアクリニックの野町ドクターに「サーミドライ」についてプロフェッショナル解説していただきました!

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「サーミドライ」とは?

サーミドライ(THERMi Dry)は高周波を使った切らない、腫れない、痛みもほとんどないワキガ・多汗症(腋臭症・ワキ汗治療)機器です。

FDA(日本の厚生労働省にあたるアメリカ政府機関)にも認可され、昨年からアメリカで治療が始まったのですが、治療効果が高く、腫れや痛みもほとんどない、ダウンタイムもなく、すぐに日常生活に戻ることができることから、ワキガ・多汗症治療として広く採用されることとなりました。

治療方法

①治療部位に局所麻酔をします。
②先端に熱源がある直径1mmの極細の管を皮下に挿入します。
③ワキの汗や臭いの原因であるエクリン汗腺・アポクリン汗腺に、直接熱を加えて焼灼することで、発汗機能を消失させます。
④施術中はほぼ無痛で、寝ている患者様も多くいらっしゃいます。術後のダウンタイムは、ほとんどありません。
※原因となる部位に直接アプローチするため、臭いの抑制と制汗効果が確実な治療です。
※片脇の施術時間(加熱時間)は約15-20分になります。

治療範囲
施術部位:直径1mmの管を針穴から挿入します。
管の先端に熱源と温度計が付いています。
施術直後:針穴は目立ちません。
術後7日目:引きつれ、凸凹などもありません。

サーミドライのここがポイント

温度計測によりやけどのトラブルを回避
同様の治療法はこれまでにもありました。が、どれだけ熱が加わったのか計測することができなかった為、ターゲットに対して均一に、
かつ適切な熱量を加えることができず、治療効果が不安定でした。
サーミドライは、先端に温度計が設置されており、温度を計測しながら十分に均一に加熱し、ターゲットである汗腺を焼灼できるので、焼灼できていることを確認しつつ治療が可能になりました。
また治療に際しては、皮膚のやけどはもっとも避けたいトラブルですが、サーモグラフィ(空港などに設置されている体温監視カメラ)により、やけどをする44℃を超えないように皮膚表面の温度を測定しながら施術を行うことができるので、安全に治療ができます。
やけどのトラブルが回避しつつ、より高い治療効果を出せる治療方法です。

治療前のサーモグラフィー。皮膚温度は34.9度です。
施術中のサーモグラフィー。施術箇所が39.2度まで上昇しています。温度が上がっている部分が白っぽくなっています。

サーミドライの痛み・麻酔の有無

局所麻酔で治療を行うのが一般的で、術中の痛みはありません。術後もほとんど痛みはありません。

サーミドライの金額の目安

266,000円~380,000円

サーミドライのダウンタイム

挿入する管は直径1mm(血液検査の針穴と同じです)の為、傷跡を残すことはほぼないことから、通常、腫れや内出血などはほとんどありません。術後の圧迫や固定、ガーゼ、抜糸も必要ありません。当日から全身シャワー可能です。ノーダウンタイムの治療です。

注意事項

  • 圧迫固定、ガーゼ、抜糸も行わずダウンタイムがほぼないため、特に注意事項はありません。
  • 治療効果は翌日から実感する方が多いです。
  • 効果の持続期間ですが、個人差があり、永久的に効果が持続することが多いのですが、汗腺が再発することもあります。しかし、数年後に腋臭症や多汗症が再発しても、治療前よりは非常に軽度であると考えられます。
  • 未成年者でも治療を受けることができます。

このような患者様におすすめです

  • ボトックス治療を避けたい方:定期的な通院が困難で、ボトックス注入時の痛みが苦手、そもそもボトックスに抵抗がある方。
  • アスリート、スポーツをする方:サーミドライでの治療は、引きつれがほとんどないので、運動機能に影響が少ないため。
  • ノースリーブを着る方:キズ跡が目立たないため、ノースリーブを好んで着られる方でも大丈夫です。
  • 休みがとりにくい方、忙しいスケジュールの合間に受けたい方:施術時間が短く、通院回数も少なくてすむため。
  • 1週間後にパーティドレスを着る方:1週間以内にパーティードレスを着る機会があり、キズ跡が目立たず、臭いの抑制と制汗効果を得たい方。
  • 長期的に安定した制汗効果・ニオイ抑制効果を望む方、多汗やニオイが増えると不安に感じる方:ボトックスは効果的に制汗効果がありますが、およそ0.5~1年で次第に効果がなくなります。治療効果が落ちかけた時に、ワキ汗やニオイを生じることに強く不安を感じる方は、
    ボトックスより効果の持続が長いサーミドライが適しています。

ドクターからひとこと

サーミドライは、画期的なわきが・多汗症治療です。
他にもわきが・多汗症治療は色々ありますが、治療効果、持続期間、ダウンタイムなどそれぞれ一長一短があります。
治療効果が高く、効果の持続期間が長い治療方法は、腫れが長く続いたり、圧迫固定などの必要もある為、日常生活に少なからず支障をきたし、患者様の負担も大きいのが通常です。

この新しい治療法=サーミドライは、患者様への負担が非常に少なく、治療効果が大きく、効果の持続期間も長い治療方法です。

先にも述べたように、治療部位=ワキの汗腺だけにアプローチでき焼灼できるので、皮膚へのダメージが非常に少なく、切開の必要もないからです。
気軽に受けられる、でも結果がきちんと出る、画期的な治療方法といえます。

  持続期間 ダウンタイム 傷痕
サーミドライ 半永久的 ほぼなし ほぼなし
1mm程度
ボトックス注射 約半年 なし ほとんどなし
針穴のみ
手術 半永久的
(手術方法や医師の技術による)
術後の圧迫、包帯など、日常生活の制限がある。 5cm程度
ミラドライ 長期 ワキの皮膚の腫れ、皮膚が硬くなる、軽い凸凹(拘縮)、痛みがある。 なし

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